今回は、高圧ガス製造保安責任者がどんな資格なのか、詳しく解説します。
高圧ガス製造保安責任者になるには、高圧ガス製造保安責任者免状を取得する必要があります。
「高圧ガス製造保安責任者」は、高圧ガスによる災害を防ぐために、高圧ガスを取り扱う業務で必須となる国家資格です。(高圧ガス保安法に定められています)
この資格を取得すれば、就職や転職にとても役立ちます。
著者は2020年に受験して、何とか一発合格…!
高圧ガス製造保安責任者とは?
高圧ガス製造保安責任者は、高圧ガスを扱う事業所で保安業務を行うことができます。
そのためには、試験に合格して所定の経験を積まないといけません。
高圧ガス製造保安責任者は9つの資格があり、種類によって取り扱える高圧ガスは異なります。
ですので、自分がどの業務に携わりたいのかによって選択するようにしましょう。
資格を取得すると、高圧ガス関係会社、石油化学コンビナートなどで働くことができます。
取得取得に必要なコト
ここからは高圧ガス製造保安責任者の資格を取得するために、知っておくべきコトをまとめます。
高圧ガス製造保安責任者には3種類ある!
高圧ガス製造保安責任者には次の3種類があります。
- 化学責任者
- 機械責任者
- 冷凍機械責任者
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
化学責任者【甲種、乙種、丙種(液化石油ガス、特別試験科目)】
化学責任者は、石油化学コンビナートなどの高圧ガス製造事業所、ガススタンドなどにおいて、製造事業所の統括的な保安業務を行えます。
化学責任者の資格はタイトルにある通り、次の4種類があります。
- 甲種化学
- 乙種化学
- 丙種化学(液化石油ガス)
- 丙種化学(特別試験科目)
ここで、甲種・乙種・丙種は、試験難易度を表します。甲種が最も高く(試験がムズカしい)、丙種が最も低い(試験が比較的カンタン)です。
よって、甲種を取得した方が扱える仕事の範囲が広く、就職活動でも有利です。
機械責任者【甲種、乙種】
機械責任者は、化学責任者と同様に、石油化学コンビナートなどの高圧ガス製造事業所、ガソリンスタンドなどにおいて、製造事業所の統括的な保安業務を行うのに必要な資格です。
機械責任者の資格は次の2つがあります。化学と違い、”丙種 機械”は存在しないことは注意しましょう。
- 甲種 機械
- 乙種 機械
冷凍機械責任者【第一種、第二種、第三種】
冷凍機械責任者は、工場などにある大型の冷蔵庫・冷凍庫、あるいはエアコンの空調設備などの機械の稼働時に必要となる高圧ガスを取り扱うことができます。
冷凍機械責任者には第一種、第二種、第三種の3種類があり、次のように高圧ガスの規模で棲み分けされています。
第一種 | 冷凍機械分野のすべての高圧ガスの保安 |
第二種 | 1日の冷凍能力が300トン未満の高圧ガスの保安 |
第三種 | 1日の冷凍能力が100トン未満の高圧ガスの保安 |
試験は2種類の方法!
高圧ガス製造保安責任者免状を取得する方法は2種類あります。
ちなみに、著者は2種類とも受験しました(どちらも1発合格!!)
国家試験
1つ目は、毎年11月に行われる国家試験で、「学識」「保安管理技術」「法令」の3科目を受験する方法です。
合格するには、次の2つを満たす必要があります。
- 3科目とも、”それぞれ“60%以上の正答率
- 1科目でも60%に届かないと不合格
例えば、2科目がそれぞれ100点でも、残りの1科目が59点なら不合格になります。
3科目とも1日で受験することになるので、試験当日まで3科目とも同時に勉強を進めないといけなかったり、試験当日の集中力を考えると、国家試験はおススメできません
検定試験で負担を減らして受験
2つ目は、検定試験を利用する方法です。
こちらは、高圧ガス保安協会が行う3日間の講習を受け(9月頃)、「学識」「保安管理技術」の2科目を検定試験で受け(10月中旬)、国家試験で「法令」のみの1科目を受験(11月)する方法です。
こちらの方法(検定試験)で受験することをおススメします!というのも、検定試験の方が国家試験より問題がカンタンだからです。
検定講習では、検定試験に出る問題を授業で教えてくれます。ですので、国家試験より検定試験の方が合格率が2倍程度高いのは当然なのかもしれません。
授業中「この問題はチェックしておいてね~」って言ってくれるので、そこを抑えればOK!
検定試験に合格すれば「講習修了証」がもらえ、国家試験の「保安管理技術」と「学識」は免除されます。
ですので、11月は「法令」1科目を受験するだけでよいのです。
また、もし「法令」試験に不合格になっても、「講習修了証」に有効期限はありません。
ですので、翌年も「法令」1科目のみを受験することができます。
受験料は、「講習費用+検定試験+国家試験」分が必要になり、国家試験を1回で受けるより高くなってしまいます。この点は注意しておきましょう。
過去問を解いてみた感触と、試験までに勉強時間を確保できるか?を考えるのがおススメ!
合格率は?
では、皆さんが気になるであろう難易度を紹介します。
化学責任者・機械責任者ともに合格率は20~40%です。生半可な気持ちでは合格できないことは知っておきましょう。
とは言え、資格の種類ごとに合格率は大きく異なりますので、自分に合った試験を選択するようにしましょう。
申し込み方法
申し込みは、高圧ガス保安協会のウェブサイトから行うか、講習を実施する各都道府県の冷凍教育検査事務所などへ問い合わせて直接申し込むか、どちらかを選べます。
インターネットから申込む場合、郵送で申し込むより費用は安くなります。
特別な理由がない場合は、インターネットから申し込みましょう。
受験費用
気になる受験費用は国家試験だけあってお高めです。
資格の種類 | 受験費用 |
甲種化学責任者・甲種機械責任者 | 23,600円(23,000円) |
乙種化学責任者・乙種機械責任者 | 20,600円(20,100円) |
丙種化学(液化石油ガス)責任者
丙種化学(特別試験科目)責任者 |
20,600円(20,100円) |
第一種冷凍機械責任者 | 23,600円(23,000円) |
第二種冷凍機械責任者 | 20,600円(20,100円) |
第三種冷凍機械責任者 | 16,900円(16,400円) |
*1 全て税込
*2 ( )内の金額はインターネット申し込みした場合
このように受験費用はかなり高額ですので、一発合格できるように勉強しましょう。
また、国家試験の合格が不安であれば、お金がかかっても検定講習に申し込むことも手。
費用は余分にかかりますが、試験の難易度が下がり、合格率も上がるのでおススメです。
悩んだらとりあえずコレ!
高圧ガス製造保安責任者は9つも資格の種類があり、合格率にも大きな差があるので、どれを受験すればいいか悩みますよね?
まずは、あなたが資格取得後に何を目指しているのかを今一度考えてみましょう。
そうすれば、9つある資格から適切なモノを選べるハズ!
また、最終的に甲種を目指すのであれば、甲種を一発で合格できるように勉強するのがおススメです。
と言うのも、乙種や丙種を受けてから甲種を目指すと、勉強時間もお金もその分必要になるからです。
おススメ勉強法
ここまで、高圧ガス製造保安責任者の資格に必要な試験について紹介してきました。
合格率も低いし、具体的にどうやって勉強すればいいの・・・?
こんな悩みを抱えているのではないでしょうか?
そこで、ここからは国家試験・検定試験どちらにも一発合格した著者の勉強法を紹介します!
おすすめ試験勉強
検定講習・国家試験どちらも受験した著者の勉強法は以下にまとめています。
勉強法の他にも、試験当日の様子や試験問題の解説もしています。
ぜひ、受験の際の参考にしてくださいね!
国家試験はこちら
検定試験はこちら
著者おススメの参考書
国家試験・検定試験どちらも1発合格した著者がおススメする参考書はこの5つです。
この5冊があったからこそ、一発合格できました!
- 高圧ガス製造保安責任者 甲種化学・機械 試験問題集
- 高圧ガス保安技術(甲種化学・機械講習テキスト)
- 高圧ガス保安法概要 甲種化学・機械、乙種化学・機械、丙種化学特別 編(改訂版)
こちらの3冊は高圧ガス保安協会が出版するテキストです。いずれも下記のリンクから購入できます。
高圧ガスを受験するなら、必ずこの3冊は手に入れましょう。
とは言え、はっきり言ってこの3冊だけでは勉強するのが難しいです。
どうやって問題を解けばいいのかそもそもの知識を身に付ける必要があるからです。そこでおススメなのが、こちらの2冊!
こちらの2冊で、学識や法令の解き方を身に着けることができます。
あれ?2つ目の参考書が「乙種」になってるよ!自分は「甲種」受験なんだけどな・・・
実は、法令試験のみ甲種と乙種で出題される問題は全く同じなので、法令試験は「乙種」のテキストを使って対策すればOKです。
「高圧ガス乙種」なら参考書はたくさん出回っていますが、甲種は受験者がそもそも少ないためか、参考書自体あまり出回っていません。
ですので、ここで紹介する5冊で対策するしか方法がないのが現実です・・・
学識の計算問題に関しては、基礎からやりたいという方には「乙種」から勉強を始めるのもオススメ!
こちらの問題集は高圧ガス乙種計算問題の解法をわかりやすく解説しています。Amazonで☆4以上の有名な問題集です!
まとめ
今回は、高圧ガスを取り扱うことができる「高圧ガス製造保安責任者」の資格についてまとめました。
この資格は、高圧ガスのプロフェッショナルとして人気が高く、高圧ガスに関連する業界へ就職するなら有利になります。ぜひ、資格取得を目指してみてはいかが?
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